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【倒壊の責任は所有者】空き家の倒壊で起こる損害賠償の事例やリスクを紹介

空き家を相続で所有することになったものの、忙しくてなかなか管理できていない人が多いのではないでしょうか。
しかし、空き家を放置すると、倒壊の危険性が高まるだけでなく、資産価値の減少や周辺住民への損害、特定空き家への指定など、多くのリスクが考えられます。
特に、空き家が倒壊して人への被害や近隣の建物に損害を与えてしまうのは、一番避けたいところですよね。

そこで本記事では、空き家の倒壊による損害賠償の事例や倒壊防止の管理方法について、解説しました。
空き家の倒壊が心配な方は、賠償責任やリスクについて学び、空き家処分の参考にしていただければと思います。

空き家を処分することができれば、管理の責任から解放され、倒壊や賠償責任などの不安がない生活が送れるはずです。

空き家の倒壊での賠償責任は所有者

空き家が倒壊した場合、賠償責任は所有者が背負います。
「自分で壊したわけではない」「自然に倒壊した」などの事情があっても、所有者は空き家の管理責任を負わなければなりません。

所有者が責任を問われる理由は、民法707条「土地工作物等の占有者及び所有者の責任」に記されています。
ここには、「工作物の占有者は、被害者に対して損害賠償責任を負う」「占有者が損害防止の注意をしても倒壊した場合は、所有者が責任を負う」と記載されています。

工作物とは「建物(空き家)」を指し、占有者とは「空き家を管理する者」その家に住んでいる人です。

庭木の管理についても同じです。
空き家の場合は誰も住んでいないため、管理を任された所有者が責任を求められます。

空き家が倒壊する理由
  • シロアリによる被害
  • 地震や台風などの自然災害
  • 耐用年数を超えた老朽化
  • メンテナンス不足

シロアリは水分の多い木を好みます。
空き家は換気が少なく、建物内で湿気がこもりやすくなっています。

雨漏りを修繕していなければ、壁や柱に水分が含まれ、さらに湿気がこもるでしょう。
そのため空き家はシロアリに狙われやすく、気づいたときは手遅れのケースが多いです。

また、台風や地震などの自然災害は予測できません。
耐震性の低さや暴風雨の被害により、空き家の屋根や土台を弱らせます

建物の耐用年数は建材によって変わり、長年放置された空き家は劣化を早めます。
さらに手入れの行き届かない空き家は、損壊した部分から雨水が浸入し、カビ発生の原因となるでしょう。

このように、空き家は人が住まなくなることで空気の流れが悪くなり、湿気がこもりやすくカビが繁殖する原因となります。
地震や台風の被害で損傷した場合でも、放置され雨風の侵入を許してしまいます。

空き家崩壊の賠償責任を回避するためには、定期的に空き家を管理しましょう。
管理が面倒だと思う人は、売却して手放すのも1つの方法です。

【要チェック】事例:空き家倒壊による損害賠償

空き家が倒壊した場合、損害賠償を請求される可能性が高まります。
ここでは、「通行人に被害」「近隣の建物に被害」の2つに分けて、事例をご紹介します。

通行人に損害

まずは、空き家が倒壊して通行人に被害が及んだ事例です。
ただ道を歩いていただけなのに、空き家の屋根の落下や外壁が飛び散って通行人がケガを負う可能性があります。
朽ちた建物はもろく、わずかな風で建材が飛ばされるかもしれません。

また、空き家が倒壊して道路を塞ぐ場合があり、通行の妨げになれば、撤去する必要があります。
撤去にともなう解体費用は所有者の負担となります。
通行人にケガをさせた場合も、損害保険の対象になる可能性は低く、費用負担は所有者です。

近隣の建物に被害

もう一つの事例は、空き家が倒壊して近隣の建物に被害が及んだ事例です。
空き家が倒壊することで、近隣の建物を傷つけることがあります。

例えば、「飛散した破片が隣家の窓ガラスを割った」「倒れた建材で隣家の外壁を損傷した」場合です。これらは故意ではななく過失ですが、他人の建物に被害を与えたことに変わりはありません。

倒壊した空き家の撤去には、解体費用がかかります。
被害を与えた建物を建て替える場合は、高額な費用を賠償請求されるでしょう。

空き家放置で発生する3つのリスク

空き家を放置することで大きく3つのリスクがあります。

空き家放置で発生する3つのリスク
  • 資産価値の減少
  • 周辺住民への被害
  • 特定空き家への指定

空き家を放置することであり得るリスクを順番に確認しておきましょう。

1.資産価値の減少:売却するとき価値が低くなる

空き家を放置すると、建物の劣化や老朽化が目立つようになります。
売却したくても買主が現れず、想像以上に資産価値が低く見積もられるでしょう。

仮に運良く買主が見つかったとしても、大規模なリフォーム費用を負担するケースが
あります。

「今後も住む予定はない」「遠くに住んでいて管理できない」
さまざまな事情で手放したくても、放置された空き家は、驚くほど価値が下がり売却のときに損をしてしまいます。注意しましょう。

2.周辺住民への被害:賠償責任や人命に関わる

買主が見つからず空き家を放置すれば、倒壊して人に危険を及ぼします。
「ほとんど空き家を管理してしない」「必要な手入れをしていない」という場合は、現状で空き家がどうなっているか判断できません。

知らない間に、空き家が傾いている可能性もあります。
空き家が倒壊して被害を出せば、近隣の建物や人命に対して賠償責任を負うことになるでしょう。

3.特定空き家に指定される:固定資産税が6倍に

国土交通省が示す「特定空き家」に指定され、勧告を受けるとそれまで優遇されていた固定資産税が最大6倍になります。

特定空き家になる条件
  • 衛生上で有害
  • 倒壊の恐れがある
  • 周辺住民の生活に影響を及ぼす
  • 景観を著しく損ねている

特定空き家に指定されると、自治体から最初の措置として「助言・指導」を受けることになります。
それらの助言・指導に従わなかった場合、2番目の措置として「勧告」を受ける可能性があるのです。
行政から勧告を受けると、「住宅用地の特例」が適用され、空き家の固定資産税が最大6倍になってしまいます。

住宅用地の特例とは

土地に対する固定資産税が課税される年の1月1日において、人が居住するための敷地として利用されている土地(住宅用地)には特例措置があり、税金が軽減されること。

固定資産税は、毎年支払う税金です。6倍になるのは、ぜひ避けたいですね。

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【倒壊防止】空き家の管理方法 

空き家の倒壊を防止するには、「部屋の換気と清掃」「庭の手入れ」「ご近所回りへの対策」に力を入れましょう。
なぜそのような対策が必要なのかは、以下で詳しく説明します。

部屋の喚起と清掃:害虫発生の防止

空き家は常に密閉された状態です。
そのため雨が降れば湿度は上がり、誰も管理しなければそのまま湿気が溜まります。
ジメジメした環境はカビの大好物で、空き家はカビの繁殖しやすい条件が備わっています。
カビが発生すると、空き家の劣化が加速すると共に、害虫も発生します。

そのためカビを防ぐには、まず部屋の換気をしましょう。
部屋の喚起をすることで、湿気を減らし、害虫発生を防ぐことにつながります。

他にも水漏れや破損がないか確認、不用品の片付けや掃除を行いましょう。
早めに空き家の破損箇所をチェックしておくことで、修繕費用も抑えることができます。

庭の手入れ:地域の資産価値を保つ

空き家の伸びすぎた庭木の手入れや雑草の除去、落ち葉などを片付けましょう。

空き家の庭はどうしても、放置されやすく草が覆い茂ります。
背の高い雑草に囲まれると、空き家自体も不快な景色へと変わります。

「誰も住んでいなくて怖い」「庭が荒れていて近寄りがたい」
そうなれば空き家が近所にあるだけで、地域の不動産価値を下げる可能性があります。
庭の手入れを定期的に行えば、地域の資産価値を保てるので、近隣トラブルも発生しにくいでしょう。

ご近所周り:近隣トラブルの防止

空き家を所有している場合、近隣住民へ挨拶しておくことが大切です。
例えば、近隣の住民へ「ご迷惑をおかけしていませんか?」と声をかけるだけでも、トラブル発生の可能性が低くなります。

「所有者が誰か知らない」「所有者の顔も見たことない」という状態では、犯罪や不法投棄など、何か起こったときの対応も難しくなります。

日頃から挨拶しておくと、遠方からでも「空き家がどのような状態になっているか」という気がかりを近隣の方に聞きやすくなるでしょう。
挨拶をしておけば、緊急連絡先を交換しやすいので、空き家の近隣住民へは丁寧な説明と言葉がけなどのコミュニケーションを取っておくことが必要です。

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管理できないなら空き家売却が安心 

空き家の管理をした方がいいのは分かっているけど、
「遠方にあり中々できない」「時間がない」
そのような人は、空き家の売却を検討しましょう。

空き家の売却には、不動産会社に依頼する「不動産買取」「仲介売却」が存在します。
手続きの手間や売却までのスピードを考えるなら、不動産売却を選びましょう。
オススメする理由も、以下にまとめました。

不動産買取:手間がかからず売れる

不動産買取は、売主と空き家買取業者の直接的な取引で、間に誰も入りません。
空き家の買取業者が査定し、売主が提示された査定額に納得できれば、すぐ手続きしてもらえます。

ただし、仲介売却よりも買取価格は安いです。
「なるべく早めに手放したい」「もう空き家の管理から解放されたい」
そのような場合は、不動産買取で早く空き家を売却しましょう。

クオーレ不動産では、全国各地の空き家買取に対応しています。
無料査定を行っており、空き家に詳しい空き家管理士も常駐しています。
「空き家を買い取ってほしい」「とりあえず査定だけでも受けたい」そのような方は、ぜひ一度ご相談ください。

不動産の仲介売却:高く売れる

「せっかく持っている不動産だから、できるだけ高く売りたい」と希望する場合は、不動産会社に仲介してもらい、空き家を売却しましょう。

仲介売却は、空き家を買いたい人と売主を結びます。
そのため売値と買値が一致しやすく、高く買い取ってもらえるでしょう。

ただし、買主が現れるまで空き家を管理しなければならず、維持費もかかります。

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まとめ

空き家を放置すれば「資産価値の減少」「特定空き家への指定」以外に、倒壊の恐れがあり、近隣住民へ被害が起こる可能性も捨てきれません。

空き家が倒壊すれば、責任は所有者で、賠償責任に問われる可能性があります。
それを避けるためには、部屋の換気や庭の手入れ、近隣住民への挨拶も欠かせません。
ただし、空き家の管理に負担を感じるなら、不動産買取で空き家を売却し、責任から解放されましょう。

「地方の実家を処分したい」「倒壊する前にどうにかしたい」「賠償責任を負いたくない」
そのようなお悩みは、全国に買取実績のある「クオーレ不動産」へ、ぜひご相談ください。空き家の無料査定を行っているほか、空き家管理士が常駐しているため、売却や相続など疑問に思ったことも、その場ですぐに解決できます。

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