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空き家をどうしようか困っている方に!売却や処分方法など問題解決策

いま日本では空き家の増加が社会問題になっています。「空き家を相続したけど、どうしたらいいんだろう・・」と悩んでいる方も少なくありません。
そこで本記事において4つの問題解決策を紹介いたします。
また空き家を放置しないほうがよい理由についても説明していますのでぜひ最後までお読みください。

日本の空き家事情は

2018年実施の政府統計調査によると、空き家の総数は846万戸に達しており総住宅数に占める空き家の割合は13.6%になっています。1998年実施の政府統計調査では空き家の総数は576万戸で空き家の割合は11.5%でした。ここ20年間の推移でみても空き家問題がより深刻化しているのが分かりますね。

また空き家の種類別にみると「その他の住宅」の増加数が顕著です。「その他の住宅」とは賃貸用・売買用以外の空き家のことです。1998年調査では182万戸だったのが2018年調査では347万戸に達しています。空き家総数に占める「その他の住宅」の割合は1998年調査で31.5%だったのが2018年調査では41.0%になっています。「その他の住宅」は適切に管理されていない空き家が多いため、質の面でも空き家問題の深刻化が読み取れます。さて続いては、空家数が日本屈指の東京都世田谷区と大田区の現状を見ていきましょう。

世田谷の空き家事情

2018年調査によると、世田谷区の住宅総数は約50万戸に達しています。人気エリアらしく増加傾向にあります。その一方で空き家も増加を続けており、約4万9000戸もあります。世田谷区における空き家数は高齢化の影響もあり近年増加傾向にあります。2003年調査では約3万9000戸でしたので、2018年までの15年間でおよそ1万戸も空き家が増加しています。ただ住宅数に占める空き家率は9.6%で、割合でみると全国平均を下回っています。高齢化で空き家は増えているけれど寂れた街になったわけではないことが統計から読み取れますよね。

なお4万9000戸というとショッキングな数ですが、「マンションの空室」も空き家にカウントされているので、「朽ちた木造家屋が4万9000戸もある」というわけではありません。東京はマンションが多いですから空室のあるマンションも含めると空き家が膨大になるということですね。

大田区の空き家事情

大田区の場合は2018年調査によると、空き家数は約4万8000戸となっています。空き家数で言えば世田谷区と同様に日本屈指の自治体となります。ただ空き家率は11.3%と日本の平均を下回っていますので不人気エリアというわけでもなさそうです。ただ空き家自体はかなりの数になりますので、処分に困っている方もたくさんおられるでしょう。

どうする空き家:4つの選択肢(問題解決策)

疑問が天秤にかけられているイメージ画像。
疑問が天秤にかけられているイメージ画像。

空き家を抱えたままにしていると、固定資産税などの納税義務がありますので経済的な負担が続きます。また草刈りや建物のメンテナンスなどの維持管理の手間・費用もかかります。「空き家のせいで近隣住民とトラブルになってしまった!」なんてことも起こりえます。このような事情を考えれば、手持ちの空き家に対して何らかの対策を打つ必要があります。

ここでは「売却する」「解体する」「譲渡する」「貸し出す」という4つの選択肢(問題解決策)をご紹介いたします。それぞれのメリット・デメリットについてくわしく見ていきましょう。

売却する(買取依頼をする)

需要がある立地なら売却を検討するのがよいでしょう。売却してしまえば固定資産税などの納税負担はなくなります。空き家をメンテナンスする手間や管理費用もなくなりますよね。さらに火災など建物にまつわるトラブルの心配もなくなるでしょう。不動産の売却益を得られることもメリットです。

なお売却に関しては建物の状態がよければ中古物件としてそのまま売却できますが、建物の劣化がひどければ解体した上で土地として売却したほうがよいかもしれません。また需要があまり見込めない物件の場合、売却ではなく不動産会社に買取依頼をしてみるのもよいでしょう。

デメリットとしては、解体をして売却した場合、利益よりも費用がかかってしまいトータルで損失になる場合があります。

解体する

建物を取り壊して更地にしてしまえば空き家を所有する不安はなくなります。解体すれば火災や建物にまつわる心配から解放されます

デメリットとしては、解体しても固定資産税の納税義務が残ることです。さらに言えば住宅を更地にした場合「住宅用地の課税標準の特例」という税金減額制度の恩恵を受けられなくなります。そのため税金が安くなるどころか逆に高くなることもあるので注意しましょう。

空き家の解体に関しては、下記の記事もぜひ参考にして下さい。

空き家の解体について詳しく知りたい方は、いかの記事を参考にしてください。
実家の処分にかかる解体費用はいくら?相場や補助金制度を教えます

譲渡する

無償で譲り渡すことで空き家を処分することもできます。買い手が見つからないような家の場合は譲渡も検討すべきでしょう。

空き家の周辺地権者や空き家近くに住む知人に相談してみる方法です。空き家の隣家の方だと自分の土地が広がるわけですから無償なら引き受けてくれる可能性があるわけですね。無償であっても空き家を処分できたら固定資産税の納税義務はなくなりますし、建物にまつわるトラブルを心配する必要もなくなるので譲り渡す側にもメリットはあります

デメリットとしては、売却とは違い金銭的な利益が得られないことが挙げられます。

空き家の譲渡について正しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
空き家を正しく譲渡するには?注意点や譲渡所得についても解説

貸し出す

需要のある立地なら空き家を他人に貸し出して有効活用する方法もあります。貸し出すことで家賃収入が入ります。

デメリットとしては、貸し出す前にリフォーム費用がかかりますし、貸し出した後にもメンテナンス費用などがかかります。固定資産税などの納税義務も残ります。さらには一度貸し出してしまうと、賃借人が退去するまでは自由に処分ができなくなってしまうので、慎重な判断が必要でしょう

空き家は早めに対策を

古い空き家の玄関。

「空き家は放置しないほうがいい」などとよく言われますよね。それはなぜでしょうか。ここでは早めに対策を取るべき理由をくわしく解説いたします。

維持費がかかる

空き家といえども不動産を所有していることになりますから維持費がかかってきます。とりわけ負担が大きいのが固定資産税でしょう。年間税額が10万円だとしても、5年間空き家を所有し続けるだけで合計50万円もの負担になってしまいます

固定資産税以外にも、電気や水道の契約をしているなら毎月基本料金がかかってきます。マンションなら管理費・修繕積立金なども毎月支払う必要があります。万が一のために火災保険などに入っていれば固定費がさらにかさみますよね。このように不動産の維持にはお金がかかります。

人が住んでない部屋は傷みやすい

人が住んでいない家は劣化スピードが速いです。というのも私たちが普段何気なくやっている室内の換気や結露の拭き取りなどが家のメンテナンス作業として重要なのです。空き家ではそういった手入れが滞りがちになるためにいろいろな場所に劣化が現れてきます。知らぬ間に壁紙がカビだらけになってしまうなんてことも。このように傷みやすい空き家は一刻も早く対策を立てたほうがいいですよね。

犯罪リスクや被災リスクを抱えることになる

空き家はゴミの不法投棄などの違法行為を受けるリスクが常にあります。さらに近年増加している台風や豪雨による浸水被害などのリスクもあるでしょう。もちろん地震による倒壊の危険もあります。このように空き家を所有し続けることは大きなリスクをかかえてしまうことにつながります。

資産価値が下がる

建物は基本的に時間が経つほど資産価値が下がります。たとえば木造家屋なら時間が経つほど木材が傷んできます。特に空き家の場合は手入れが行き届かないことが多く劣化スピードも速いですね。

空家対策特別措置法による懸念

「空家対策特別措置法」とは空き家の所有者に適正管理を義務付ける法律です。そして近隣住民に対して害悪を及ぼすおそれがある酷い空き家は「特定空き家」に指定される可能性があります
たとえば「家が今にも崩れそうな状態」、「ゴミの不法投棄で害虫が大量発生している状態」、「建物が周辺の景観を著しく損ねている状態」などのいずれかに該当した場合に指定されることがあります。

「特定空き家」に指定されると、住宅用地に対する税金減額制度の恩恵が受けられなくなるために最大6倍まで固定資産税が上がる可能性があります。たとえば年間10万円だった固定資産税が60万円になったら大変ですよね。

このように空き家をめぐる近年の法制度からも空き家を放置するにはリスクが伴います。

空き家対策特別措置法について知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
空き家対策特別措置法とは?所有する空き家との関係や目的を解説

まとめ

さていかがだったでしょうか。本記事において空き家問題の解決法を4つほど紹介してきました。「売却する」、「解体する」、「譲渡する」、「貸し出す」でしたよね。
空き家対策を早めにすべき理由についてもお伝えいたしました。空き家を放置すると多くの問題を抱えることにつながることが分かりましたよね。空き家の処分は考慮すべきことが多くて大変ですが、慎重に比較検討してご自身にとってふさわしい方法を選びましょう。

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