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空き家の放置で起こる損害賠償と回避するために必要な管理方法

空き家の放置で起こる2つの損害賠償と回避するために必要な管理方法を解説

遠方にある空き家の管理は、なかなか大変ですよね。
空き家の管理を行うのは時間も手間もかかるため、ついつい放置している方も多いのではないでしょうか。

空き家の放置で起こるデメリットは、建物の老朽化だけではありません。
空き家の外壁や屋根の破損が原因で、近隣の家屋や住人、通行人に損害を与えるリスクが生じます。そうなれば、損害賠償の責任を問われる状況に陥る可能性もあるでしょう。

本記事では、空き家の放置が原因で起こる損害賠償とはどのような内容なのか、また損害賠償を回避するための3つの対策についても解説します。空き家の正しい管理方法について知ることで、安心して空き家を維持できるでしょう。

しかしながら、「正しく管理すれば安心とは言っても、空き家の管理は大変」とお考えなら、空き家の売却がおすすめです。
空き家管理の手間がなくなり金銭的な余裕が生まれ、心配ごとも減ることでしょう。

空き家の売却に関して詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。
空き家になった実家をどうしよう…売却のコツや必要費用について

【事例あり】空き家の放置で起こる損害賠償

お金と損害賠償が並んでいるイラスト

空き家の放置が原因で起こる損害賠償は、2つあります。

空き家放置で起こる損害賠償
  • 近隣の建物への被害
  • 人的な損害

具体的な損害賠償の内容について、これから解説します。

近隣の建物への損害

空き家の放置により過去に起こった損害として、空き家の敷地内にある石垣が台風の影響で崩落し、隣の家屋が全壊してしまった事例があります。

老朽化による石垣の強度不足が原因で起きた崩落であったため、工作物の瑕疵(建物や塀などの安全性の欠陥)が認められてしまい、石垣の所有者に損害賠償が請求されました。
崩落した石垣の所有者に出された請求内容としては、建物の損害賠償代や慰謝料、引っ越し費用、弁護士費用などを合わせた総額364万円です。

民法第717条では

「土地の工作物に瑕疵があり、他人に損害を生じた場合には、工作物の占有者が損害を賠償する責任を負う。ただし、占有者が損害の発生を防止するために必要な注意を行った場合には、所有者が損害を賠償する。」と規定されています。

空き家の管理を怠ったことで建物が破損や倒壊し、それによって飛散した部分が近隣の建物に損害を与えた場合、空き家の所有者に賠償責任が課されるという意味です。
また、近隣の建物を倒壊させた場合、解体費用や処分費用、建替えに必要な費用が請求されることもあります。

たとえば、建坪(たてつぼ)50㎡の木造家屋の場合は、建物の解体費用のみでも100万円から250万円ほどかかるでしょう。
建替え費用も合わせれば、損害賠償の合計額は数千万円と跳ね上がる可能性もあります。

このように、空き家の老朽化を放置すると、屋根瓦の飛散や外壁の剥がれ、塀や建物自体の倒壊などに繋がります。
台風や地震などの自然災害にも耐えられる強度を持つかどうかも、空き家の所有者は考えなくてはいけません。

空き家の倒壊で起こる損害賠償の事例について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
【倒壊の責任は所有者】空き家の倒壊で起こる損害賠償の事例やリスクを紹介

人的な損害

空き家の倒壊による近隣家屋の全壊が原因で、夫婦と子供を合わせた3人の死亡事故が起こった場合のモデルケースが、公益財団法人非本住宅総合センターで試算されています。
これによると、全壊した建物への損害賠償額が1億5,000万円、人身の損害賠償額が1億9,360万円と、トータルで3億円以上の損害賠償金となりました。

人的な損害賠償の内訳
  • 怪我をさせた場合:治療費・慰謝料
  • 死亡させた場合:葬儀代・死亡逸失利益・慰謝料

空き家の管理不足が原因で人的な被害が起きてしまうと、数千万〜数億円の損害賠償リスクがあり、大変な事態になるでしょう。

空き家の倒壊は、近隣家屋への被害だけではありません。
タイミング次第では、偶然通った通行人にも被害が及ぶ可能性が考えられます。
空き家の不十分な管理は、非常に危険であると言えるでしょう。

空き家の管理が大変な方は、空き家の処分を早めに検討しましょう。
クオーレ不動産では、空き家の片付けをしていない状態でも、無料査定から遺品の買取まで、丁寧に対応します。
全国どこでも対応していますので、ぜひ一度お気軽にご相談ください。

損害賠償を回避!3つの対策

崩れかけた空き家

空き家の老朽化による損害賠償を支払うリスクを避けるための、3つの対策をお伝えします。

損害賠償を回避するための対策
  • 定期的な空き家の点検
  • 保険に加入
  • 近隣住民への挨拶

それぞれの対策ついて、詳しく解説します。

定期的な空き家の点検

実際に現地に向かい、定期的な空き家の点検を行いましょう。

空き家の点検時に確認する3つのポイント
  1. 破損個所がないか確認する
  2. 換気をする
  3. 水道を流す

空き家の破損個所を早めに確認できれば、早期の修復が可能になり、第三者への被害を未然に防げます。
空き家の破損した部分が飛散しないように、外壁にヒビが入っていないか、屋根瓦が外れていないかを確認しましょう。

また、室内の換気も重要です。
湿気は建物全体を支える骨組み部分である木材を腐食させ、またシロアリの住処にもなってしまう原因を作ります。
新鮮な空気を循環させ、空き家を腐朽から守りましょう。

ほかにも、臭い対策や排水管の劣化防止のため、定期的に水道も流しておくと良いでしょう。排水管の破損が起こるリスクも回避できます。

保険に加入

空き家の管理不足が原因で、あなたが損害賠償を支払うことになる前に、「損害賠償保険」へ加入をしましょう。

損害賠償保険とは

日常生活で他人に被害や損害を与えてしまった際に、法律上の賠償責任に対して補償してくれる保険のこと。

空き家は、人の気配がないために放火事件に巻き込まれやすく、火災の損害賠償を求められる確率が高くなってしまいます。
近隣住民からの苦情を改善しなかったなどの重大な過失がない限り、通常は出火元の空き家の所有者が賠償責任を負うものではありません。
これは「失火責任法」によって定められています。

しかし、第三者から訴えられて訴訟になってしまった場合は別で、賠償金の支払いを命じられる可能性もあります。
こういった事態にも備え、空き家の所有者は損害賠償保険に加入するのが得策でしょう。

そのほか、台風や地震の被害に備えるには、「施設賠償責任保険」がおすすめです。
施設賠償責任保険では、空き家の破損箇所の飛来によって周辺の人や物に損害を負わせたときに賠償金が補償されます。
どちらの保険も、損害賠償を支払うリスクが回避できるので、空き家を管理するのに必要な保険であると言えます。

近隣住民への挨拶

点検や片付けをするとき空き家に行くことがあったら、近隣住民と積極的にコミュニケーションをとることをおすすめします。
特に隣の家の方とは、空き家に何かあった時に協力してもらえるような良い関係でいられるのが理想です。

空き家に何かあったときにすぐ気づいてもらえれば、事故や事件を未然に防げるため、賠償責任の防止に繋がります。
また、苦情などの近隣トラブルを抑えられるメリットもあります。

「空き家の管理が難しそう」と感じたら、クオーレ不動産にご相談ください。
無料査定、遺品整理から空き家の買取まで、トータルサポートしております。

【リスク回避】空き家を売却しよう

空き家とお金のイラスト

「空き家を正しく管理できるか不安」「損害賠償責任を負いたくない」このような方は、空き家の売却を視野に入れてみませんか。

空き家を手放す方法
  • 高く売りたいなら「仲介売却」
  • すぐに手放すなら「不動産買取」

仲介売却と不動産買取は売り手が異なるため、売却額や売却期間に差が生まれます。
以下で詳しく解説します。

高く売りたいなら:仲介売却

仲介売却は、不動産業者が間に入り、空き家の購入希望者を探してくれます。
空き家を売る相手は、不動産業者ではなく、空き家の購入を求めている個人です。

仲介売却では、不動産業者が住宅や土地を探している方に向けて、宣伝などの営業活動をします。
空き家を購入したい方が早期に見つかれば、買取に出すより空き家が高く売れる可能性があります。
しかし、立地条件が良くないと購入を希望する人が現れにくいこともあるでしょう。

売却期間が長期に渡る場合は、空き家の売却価格を下げなくてはいけなくなります。
また、なかなか売れない間も空き家を所有しなくてはならず、損害賠償リスクがついて回ることになります。
不動産買取にはない仲介手数料も発生し、売却額の3%ほどを支払う必要があることも覚えておきましょう。

すぐに手放すなら:不動産買取

不動産買取は、空き家を個人に売却するのではなく、不動産会社が直接買い取ります。
不動産業者に空き家を直接買い取ってもらうと、買い手が現れるまでの時間を短縮でき、賠償責任のリスクから早期に回避できます。
なぜなら不動産業者は空き家を買い取ってから、解体やリフォームなどで手を入れた後に、買い手を見つけるからです。

そのため、老朽化が進んだ空き家や地方にある空き家でも早期に売却が可能です。
空き家の所有者としては、手っ取り早く買い取ってもらうほうが心労の面でも負担が少ないでしょう。

不動産買取では売却価格が相場より低くなってしまいますが、仲介売却でかかる仲介手数料もかかりません。
損害賠償リスクを気にしているのなら、不動産買取の方が早期に売却できるためおすすめです。

空き家の買取は、クオーレ不動産でも行っております。
無料査定を行っておりますので、まだ売却をするか検討中の方も、お気軽にお問合せください。

まとめ

空き家の管理は、時間も手間もかかり、かなりの労力が必要です。
空き家の老朽箇所をそのまま放置してしまうと、空き家の破損箇所の飛来や建物自体の倒壊よって、隣家や人に損害を与えるリスクが伴います。
最悪の場合、何億円という高額な損害賠償金を支払うことにもなりかねません。
定期的な点検をして事故を未然に防ぎ、賠償責任を回避しましょう。

空き家の管理に不安を感じるのなら、空き家の売却も視野に入れてみませんか。
クオーレ不動産では、全国どこでも対応しており、空き家の無料査定を行っています。
遺品整理から売却までトータルサポートしており、空き家管理士などの専門のスタッフが、さまざまなお悩みをその場で解決します。

空き家の売却についてお悩みの方は、クオーレ不動産にお気軽にご相談ください。

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